主要通貨ペア(ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円、ポンド/円)について前営業日の値動きをわかりやすく解説し、今後の見通しをお届けします。
作成日時 :2025年5月20日8時30分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部 中村勉
目次
▼19日(月)の為替相場
(1):中国小売は予想を下回る
(2):ユーロ圏HICPは速報値と変わらず
(3):FRB高官 早期利下げに慎重な姿勢
▼外為注文情報/ ▼本日の見通し/ ▼ドル/円の見通し:米国の格下げを受けた売りは一巡/ ▼注目の経済指標/ ▼注目のイベント
19日(月)の為替相場
期間:19日(月)午前7時10分~20日(火)午前5時55分 ※チャートは30分足(日本時間表示) 出所:外為どっとコム
(1):中国小売は予想を下回る
中国4月小売売上高は前年比+5.1%と市場予想(+5.5%)を下回り、前月(+5.9%)から鈍化した。一方で、同鉱工業生産は前年比+6.1%と前月(+7.7%)から鈍化したものの、予想(+5.7%)は上回った。
(2):ユーロ圏HICPは速報値と変わらず
ユーロ圏4月消費者物価指数(HICP)・改定値は前月比が+0.6%、前年比が+2.7%とともに速報値から修正はなかった。
(3):FRB高官 早期利下げに慎重な姿勢
米アトランタ連銀のボスティック総裁は、「米連邦準備制度理事会(FRB)の2大責務のうち、インフレ面について非常に懸念している」と語り、「関税やトランプ政権のほかの政策によって引き起こされた不確実性が金利変更を支持する前に和らぐことを期待している」と述べ、金利変更には3~6カ月待つ必要があることを示唆。「今年は1回のみの利下げにかなり傾倒している」と付け加えた。 またジェファーソンFRB副議長は「物価水準の上昇が持続的なインフレにつながらないよう、金融政策がしっかり対応することが重要」との見解を示し、「当面は静観するのが適切」と語った。ウィリアムズNY連銀総裁は、トランプ政権の関税などの政策が米経済に及ぼす影響が予想困難なことから「何が起きているかを理解するのは6月や7月ではないだろう」と述べた。
19日(月)の株・債券・商品市場
ドル/円 外為注文情報(FX板情報・オーダー状況)
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人気通貨ペア 本日の予想レンジ
ドル/円の見通し:米国の格下げを受けた売りは一巡
昨日のドル/円は終値ベースで約0.5%下落。前週末クローズ間際に米格付け会社大手のムーディーズが米国の格付けを引き下げたことで、ギャップダウンして取引が開始されるとドル売りが先行した。欧州時間序盤には144.66円前後まで下値を拡大したものの、その後は米株や米債が持ち直したことでドル/円も下げ渋る展開となった。
米国の格下げを受けた米国(米株、米債、ドル)売りは一巡したとみられる。本日から23日までG7財務相・中央銀行総裁会議がカナダで開催され、日本の加藤財務相と米国のベッセント財務長官が円安是正などについて協議する可能性があることから、ドル/円の上値は引き続き重そうだ。一方で米消費者の期待インフレ率が上昇するなど、トランプ関税が米国の物価を押し上げるとの見方が強い中、市場の想定以上に米連邦準備制度理事会(FRB)が追加利下げに慎重なことがドルを下支えする要因となろう。ドル/円の上値は日足一目均衡表の転換線や雲下限が位置する146円台前半がレジスタンスとなり、また下値では同基準線の通る144.27円がサポートとして意識されそうだ。
注目の経済指標:RBA政策金利
注目のイベント:RBA総裁発言
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中村 勉(なかむら・つとむ)
米国の大学で学び、帰国後に上田ハーロー(株)へ入社。 8年間カバーディーラーに従事し、顧客サービス開発にも携わる。 2021年10月から(株)外為どっとコム総合研究所へ入社。 優れた英語力とカバーディーラー時代の経験を活かし、レポート、X(Twitter)を通してFX個人投資家向けの情報発信を担当している。
経済番組専門放送局ストックボイスTV『東京マーケットワイド』、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。
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