メキシコペソや豪ドルなど投資家にとって魅力的な通貨の最新状況について、これまでの動向や注目ポイントについて解説します。
作成日時 :2025年6月6日15時00分
執筆・監修:株式会社外為どっとコム総合研究所 調査部長 神田卓也
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執筆:外為どっとコム総合研究所 神田 卓也
メキシコペソ/円(4時間足)
※レポート内の為替レート・チャートは外為どっとコム「外貨ネクストネオ」を参照
先週のメキシコペソ/円は底堅く推移
週初2日は、前週末にトランプ米大統領が鉄鋼・アルミ関税を50%に引き上げると表明したことを受けて7.3円台へと下落して取引が始まりました。しかし、米ホワイトハウスが週内に米中首脳会談を行う可能性が高いと発表したことで7.4円台を回復。3日も、植田日銀総裁が「無理に利上げすることはない」と発言したことなどからペソ高・円安の動きが継続しました。4日には一時7.5円台へと上昇したのち失速しましたが、5日に米中首脳電話会談が行われ、速やかに貿易交渉を開始することが決まると再び上昇。6日の東京市場では7.526円前後へと続伸して5月29日以来の高値を付ける場面もありました。
今週のメキシコペソ/円の注目ポイントは5月CPI
メキシコの5月消費者物価指数(CPI)は9日に発表されます。市場予想は前年比+4.37%となっており、前月(+3.93%)から伸びが加速して、メキシコ中銀のインフレ目標(3%±1%)を4カ月ぶりに上回ると見られています。中銀は直近の3会合で50bp(0.50%ポイント)の大幅利下げを継続中。5月CPIが中銀の利下げペースダウンにつながるか注目です。なお、中銀は同国のインフレが2026年後半にかけて緩やかに低下するとの見通しを維持した上で、米国の関税政策による国内景気の下振れを警戒して利下げを続けています。米国と各国との関税交渉の行方にも引き続き注目です。
今週のメキシコペソ/円の見通し
予想レンジ
7.350円~7.650円
基調
底堅い
今週の注目ポイント
☆6/9 メキシコ5月CPI
☆--- 米関税交渉
・主要国株価、国際商品価格
メキシコペソ/円(MXN/JPY) FX為替レート・チャート

神田 卓也(かんだ・たくや)
1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。 為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。 その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。 現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信を主業務とする傍ら、相場動向などについて、経済番組専門放送局の日経CNBC「朝エクスプレス」や、ストックボイスTV「東京マーケットワイド」、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」などレギュラー出演。マスメディアからの取材多数。WEB・新聞・雑誌等にコメントを発信。
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